私たちが「入浴介助」で大切にしていること

入浴介助は清潔保持、健康チェック、血行促進の機会

入浴介助の目的の中で、最も大切なことは清潔保持です。身体が動かせない人は、自分ではできないので、私たちが身体を洗ってあげないと垢が溜まっていきます。体がきれいになることで心もリフレッシュできます。かた、健康状態を把握することができるのも特徴のひとつです。身体を洗う時には、怪我がないか、皮膚状態はどうだろうか、浮腫はないかなどとしっかりと確認します。裸にならないと身体の状態がわからない部分もあるので、羞恥心に配慮しながらさりげなく体を観させていただきます。また、血色の悪い人はお風呂に浸かって温めて血行をよくすることも忘れません。

自分でできないことを援助し、個人の尊厳を大切に

裸を見られるのが嫌なのが人の常です。バスタオルをかけるなどして羞恥心への配慮も忘れません。個人の尊厳は大切にします。身体を自分で洗える人はご自身で洗ってもらうなど、自分でできることはご自身でやってもらいます。持っている力を活かすことで心身の機能を改善していくことを常に意識します。できないことだけを私たちが支援します。

お風呂が好きな人、嫌いな人、ご機嫌な人、不安な人・・・
様々なケースへの対応も日々の信頼関係が土台

入浴を楽しむ人もいれば、負担に感じる人もいます。浴室には入居者さんが好まれそうな音楽を流しています。その音楽に合わせて口ずさむ人もいますし、時には、一緒に歌ったりもします。入浴時にできるだけリラックスして頂くためにも、その時々の気持ちに寄り添うことを大切にしています。

湯船にゆっくり浸かりたい人もいますが、浸かりたくない人もいます。浸かりたくない人でも血行が悪い人には入浴の重要性を話して、少しでも長く湯船に入ってもらうようにしています。

お風呂が嫌いな人の不安を取り除いて、入浴を促すようにしています。例えば、体調が悪くて、お風呂が嫌いな人もいます。そのような場合は、看護師から入浴は許可されていることを伝えて、安心して入浴してもらいます。入居者さんは介助してもらって入浴することには慣れています。介助されても安心してもらえるのは、日常の関わりが土台となっています。入居者さんが入浴を安心して楽しんでもらえるように、日々の信頼関係を維持していくことを大切にしています。

(特別養護老人ホームはちぶせの里 さそり座ユニット 竹内 美保)