利用者様の慣れた生活環境づくりを目指して、日々楽しく過ごしてもらいたい
高校時代、就職先を決めるために3か所の介護現場を訪れました。その中で、はちぶせの里だけがユニット型の個別ケアでした。従来型の介護現場に比べて利用者様一人ひとりに関わる時間が長いことに魅力を感じました。私が仕事をする上で大切にしていることは、施設で過ごされている利用者様が日々を楽しく過ごして、生きがいを感じてもらえるように支援していくことです。例えば、利用者様が好きなことやここに来られる前にしていたこと、部屋の雰囲気を利用者さんの自宅を感じられるものにするなどです。花が好きなら花を置き、テレビの位置を自宅の感じに近づけるといった工夫をして、慣れた環境づくりを意識しています。「昔は健康優良児だったのよ」と言われたら、その意味を聞き、今も健康を目指すために、身体を動かすことに繋げていきます。良い思い出を掘り起こして、利用者様のモチベーションの向上にも繋げます。家族の自慢や自身の過去の自慢話をされる人もたくさんいます。利用者様に楽しんでもらうために、会話をしているのですが、会話をしているうちに私が楽しくなってしまいます。利用者の皆さんとのコミュニケーションは様々なことを学べるのでとても楽しい気持ちになります。
利用者様やご家族と信頼関係が築けたと実感できた時に感じる自分の仕事の意義
この仕事は、決して楽な仕事とは言えませんが、何かをした後に「ありがとう」「助かった」の言葉を言ってもらえることが多く、この仕事に就いてよかったと思える瞬間が日々あります。また、利用者様だけでなくご家族との信頼関係を築けた時はすごく嬉しいです。ご家族にはマメに状態報告をするようにしています。良くない話ほど丁寧に報告しています。スタッフとの信頼関係がなかなか築くことが出来ない利用者様から「今日は足立さんか、ご苦労さんやな」と名前を呼んでもらえたことがありました。その方は毎日の歩行訓練が必要な方ですが、なかなか歩こうとされません。しかし、私が担当の時には歩行訓練をされ、そこで笑顔を多く見せてくれます。ある日、ご家族に「主人は職員を見て判断しているみたい、足立さんなら歩くそうよ」と言われた時は、この利用者様とは関係性が築けていると実感をし、嬉しく思いました。こういった経験ができるのも、職員同士が働きやすい環境が作れるようにリーダーを中心に多職種で連携しチームワークを大事にしているからだと思います。私もリーダーやメンバーに気兼ねなく自分の意見を言えます。リーダーをはじめメンバーも話をきちんと聞いてくれる風土があります。自分の意見を伝え、チームワークに矛盾が起きないことを心掛けています。
薬について学びを深め、根拠を理解し、さらに踏み込んだケアができるようにしていきたい
今後についてですが、もっと利用者一人ひとりの個性や過ごしてきた背景を理解し、より良い信頼関係が築くことが出来るように努力していきたいです。特に一人ひとりが抱えている病気を理解していきたいです。薬の誤薬や飲み忘れなどがないように、病気を理解することで薬の内容や意味を理解していきたいからです。そうすると、利用者様にも薬を飲む意味を説明することができますし、薬を拒む人に対して、どのように説明をすれば良いか、どのように対応すれば良いかなどを幅広く考えることができると思います。薬情(副作用などが書かれてある情報)はあるのですが、かなり多いので、覚えるのがひと苦労です。薬を服用している人が、飲食の中で何を摂取してはいけないのかは、基本的には管理栄養士が担当してくれていますが、私たちももしもの時に備えて確認していきたいです。ただ、薬を飲むだけでなく、何故それが必要なのかの根拠を知ることが大切だと思います。例えば、血液をサラサラにする薬を飲んでいる人は怪我をすると血が止まらないなどがありますので、それらを理解していたら、その時の対応も違ってきます。薬について自分が勉強することによりさらに踏み込んだケアができるようにしていきたいと思います。