柴田 由香

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同じ話を初めてするように毎日のように話す入居者さん。自分の家のように過ごしてもらいたい

この仕事に就く前は、まさか介護の仕事を自分がするとは考えていませんでした。大学4年生の時、就職活動もしていない私を見兼ねた父から勧められたのが、介護の仕事、そして、はちぶせの里を紹介されました。訪問した時に雰囲気が良い職場だという第一印象を持ちました。入職してこの仕事は自分に合っていると思いました。もともとおじいちゃん、おばあちゃんと一緒に暮らしていたので、お世話も好きでした。はじめは特別養護老人ホームで働きましたが、その後、グループホームに異動となりましたが、私のお世話をするスタンスは変わりません。グループホームでは皆さんが認知症という病気ですがお元気なので、食事の準備や掃除など一緒にすることも多いです。昔の話をされることが多いのですが、そういう話を聞くと「昔は大変だったんだなぁ、今は便利な世の中だなぁ」と感じ、とても学ぶことが多いです。同じ話を初めてするように毎日のように話されますが、私はそれでも楽しく聞いており、家みたいに過ごしてもらいたいと思いながら、一緒に生活している感覚で仕事をしています。

「ありがとう」と仰る背景も理解しながら、入居者さんに気を遣わせないように心を配っていきたい

仕事をする上で大切にしていること、それは優しく接するようにすることです。具体的には、入居者さんに気を遣わせないように心を配るという感じです。一緒に生活をしている感覚で仕事をしているとは言え、現実は他人ですし、また、目上の方々です。私たちのケアそのものに対して入居者さんが気を遣うということも当然あります。そのことで、私たちと入居者さんの間で気まずい空気が生まれると、それは、そのまま入居者さんに気を遣わせることになると思います。私は、できる限り家で暮らしているように自然体で生活をしてもらいたいと考えています。毎日「ありがとう」と入居者の方々が言ってくれますが、その言葉で毎日頑張れますし、とてもうれしい気持ちになれます。その背景には、入居者さん自身もやってもらうことが当たり前のことではないということをわかっておられ、ご自身ができないことを私たちにしてもらっているということを根本的に感じておられているのだと思います。私たちは、そういう思いも理解しながら関わっていくことが大切だと思います。

子育て中の制限の中でもしっかりと仕事をし、将来は認知症のスペシャリストを目指したい

この仕事に就いて良かったことは、私自身の家族との関わり方です。認知症の方々は、症状を持っていても、人間らしく生きているわけです。しかし、そうした、知識がなければ、症状の部分に目が行きがちで、その人間らしい部分も否定してしまうことも多々あります。私の場合、祖母が認知症になり、この仕事についていなければ、わからないことだったと思います。家族として、認知症に対して一定の知識があり理解できていたので、適切な対応もできたと思います。また、義父も軽度の認知症がありますが、心にゆとりも持って接する事ができています。この仕事を始めて13年が経ちます。この仕事は好きですし、合っていると思っています。現状は、子育て中ですので働く時間も今は制限していますが、いずれはフルタイムで仕事をしていきたいと思います。今は、入居者の皆さんと楽しみながら生活をして頂くことを前提に、私自身は今できることにしっかりと取り組みたいと思っています。そして、認知症に関するスペシャリストとなるべく様々な資格取得にチャレンジしていきたいと思います。

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