祖父の介護を機に飛び込んだ福祉の世界。
理想と現実のギャップを乗り越え、仕事の深さを知る
姉が介護職だったことや、高校生の頃に祖父が介護状態になり、家で懸命に支える祖母の姿を間近に見たことが、この道に進むきっかけでした。当時はやりたいことが明確になかったのですが、家族の助けになりたいという想いと高校時代の先生の勧めもあり、新卒でこの世界に飛び込みました。入職当時は戸惑いの連続でした。笑顔で和やかな現場をイメージしていましたが、現実は利用者様の突然の怒りなども重なり、衝撃を受けることも多かったです。心が折れそうになりましたが、当時のリーダー(現施設長)が「その行動には理由があるんだよ」と一つひとつ丁寧に意味を教えてくれました。利用者様の行動の背景を紐解くことで、様々な現象が「その人らしさ」として見え始め、この仕事の奥深さとやりがいに気づくことができたのです。
介護の仕事は「考える仕事」。
一つひとつのケアに根拠を持つことで、利用者様の可能性を引き出したい
介護は、実はとても「考える仕事」だと思います。私が大切にしているのは、一つひとつのケアにしっかりとした「根拠と理由」を持つことです。以前、車椅子生活でほとんど動かなかった方にキーホルダーをプレゼントしたところ、それをきっかけに会話が増え、最終的には自ら歩き始められたという一般的には驚くような経験があります。居場所を感じ、活気が出たことで、ご本人の持っていた可能性が引き出されたようです。単に「ありがとう」と言われることだけでなく、見た目だけで「できない」と決めつけず、その方の背景を知り、あらゆる視点から可能性を見出すプロセスにこそ、この仕事の意味と興味深さがあります。歯磨き一つにしても、それが何のための手段なのか、どういう状態を目指すのかを考え抜き、プロとして確かな根拠に基づいたケアを提供していくことに、仕事に対する誇りが生まれてくるように感じています。
多職種がリスペクトし合う職場で、福祉用具を当たり前に。
利用者様のペースに寄り添うケアへ
はちぶせの里は職種の壁がなく、何でも気兼ねなく言い合える温かい職場です。看護師や栄養士、現場スタッフが互いの専門性を尊重し合い、一丸となって利用者様を支える雰囲気があると思います。現在、私は「生活支援会議」を担当し、マニュアルの改善にも取り組んでいます。これから挑戦したいのは、介護リフトなどの福祉用具を「当たり前」に活用できる環境づくりです。スタッフの体の負担を減らすことは、長く働き続けるためだけでなく、利用者様の安心・安全にも直結します。今後の課題は、時間に追われる「作業的なケア」から脱却し、利用者様一人ひとりの人生の背景やペースを尊重したケアをさらに追求していきたいと思っています。日々の観察を怠らず、利用者様がその方らしく過ごせる場所を、チーム全員で守り続けていきたいと考えています。


