私たちが「排泄介助」で大切にしていること

排泄は健康のバロメーター

排泄介助には、トイレ誘導やおむつケア、ポータブルトイレの使用などがあります。排泄は健康のバロメーターなので、その確認はとても重要です。尿や便の色、臭い、形状、量、頻度などを確認できるのは介護スタッフなので、いつもと違うかどうかを確認して、次に担当するスタッフと情報共有をして、継続的に様子を見ることが不可欠です。便の変化から体調不良を見出せるように、継続した観察を大切にしています。

自分でしたいという気持ちを尊重し、羞恥心に配慮し、危険を排除した介助

排泄介助の注意点は、安全に、可能な限りトイレで排泄できるようにすることです。人はトイレで排泄するのが最も快適だからです。介助される側には羞恥心があるので、ご利用者の尊厳を傷つけないようにすることを配慮し、自分でできることは自分でしてもらうようにしています。例えば、トイレには行けるけど、ズボンが下せない場合はズボンを下すことだけを援助し、排泄が終わるまでトイレの外で待機します。また、「終わったら知らせてください」と言っても理解されていないケース、トイレの中にある呼びボタンを押せないケースなど様々なケースに合わせて対応を変えるようにしています。

転倒を避けることにはとても神経を使っています。転倒は色々なところで考えられます。例えば、便座に座る体制が悪いとバランスを崩して、座ったまま転倒することも考えられます。トイレを出た後の誘導についても、転倒をしないように陰越しでそっと見守るようにしています。

このように、私たちは、ご利用者の自分でしたいという気持ちを尊重しながら、羞恥心に配慮しつつ、危険をどのように排除するかを常に考えて介助しすることを意識しています。

排泄介助の時のコミュニケーションにひと工夫

排泄介助の時は、周りに聞こえないように本人だけに「トイレに行きましょう」と声をかけたり、「部屋へ戻りましょう」と言って途中でトイレに立ち寄るなど、コミュニケーションにひと工夫をしています。そういう小さな配慮を続けていくことで、頼みやすいスタッフになることを目指しています。連れて行ってもらう側としては、「トイレに行きたい」と言い出しにくいものです。だからこそ、それが言いやすいスタッフになることを心掛けています。

寝たきり状態の人はおむつの際に、お尻の肌の状態を確認します。その時も、もちろん尊厳を大切にすることは忘れません。カーテンを閉めたり、タオルで覆うなどをしています。また、おむつ替えをすると臭いが充満するので、その臭いが他の部屋に流れないように配慮します。陰部をお湯で洗う時は必ず声を掛けます。何かを始める前は、必ず「~しますね」と先に声を掛けて不安を取り除くようにしています。おむつを替えると「気持ちよくなった」と言われ、よかったと思える瞬間です。

排便ができなかった人が「やっと出た」と言われると、こちらまでホッとします。その小さな安堵感がスタッフをも幸せにしてくれます。排便できないとそれが原因で健康への悪循環が生まれます。排泄は身体とその人の生活を循環しています。

(ショートステイはちぶせの里・ふたご座ユニット 津崎 菜美)