施設長メッセージ

協同的自立(お互い様)に立脚して、すべての職員が対等であることを大切にし、高齢者の自立支援に留まらず、高齢者領域を超えた地域づくりに参画していきたい

業務執行理事・施設長 中野穣

人は誰かと協同しないと生きて行けません。たとえば、自分自身の生活を一人で完結している人はいません。生活の一部を家族や同僚にお互いに頼りながら生きています。親子関係でも、一見親が一方的に子どもの世話をしているように見えますが、親子の間で生きる力が循環しています。平たく言えば、人は「お互い様」の中で利益を循環させながら生きているということです。つまり互恵性です。世の中に「完全自立」はありえず、「協同的自立」が現実の自立のあり様です。

この関係性は、ご利用者とスタッフにも当てはまります。「支援を享受する人」と「支援する人」という上下の関係性ではなく、「支援を受けながら自立をしている人」と「支援を生業とすることで、精神的にも経済的にも役割を持って生きる人」という互恵性に基づいた対等な関係性です。

私たちの法人理念の「共に楽しみ、共に喜び、共に生きる施設づくり」が、この協同的自立を表現しています。ご利用者・ご家族とスタッフがお互いを支えあう社風を目指しています。

また、高齢化、過疎化が進む中で、2025年問題を先取りしている養父市の福祉インフラをしっかりと固めたいと思っています。現状のままでは、養父市の医療・福祉インフラはもって10年。それはイコール養父市がもって10年と置き換えられます。この危機をどうにか変えたいという想いを強く持っています。

1.「スタッフの生活」について

スタッフの24時間を俯瞰するなかで、勤務の8時間について考えます。生活の中の一部として仕事を捉えていかないと、安心して仕事をすることはできません。子育て、親の介護、その他の生活ニーズもできるだけフォローしながら、「仕事の仕方」「組織作り」を行っています。

2.「地域における社会福祉法人の役割」

法人利益のみに傾斜することなく、社会福祉法人に求められる社会的役割について地域をベースに考えます。行政、地域、他事業所からの依頼、SOSには真摯に対応します。

3.「出会い」を大切に

「出会い」を大切にする法人でありたいと考えています。ご利用者においては可能な限り「看取り」までお世話させていただくことを目標としています。また、スタッフについては、労働環境の改善や福利厚生の充実を行いながら生涯働ける環境について取り組んでいます。

現在、ご利用者の状態像に応じて、在宅支援のサービスから、最後の砦となる特別養護老人ホームまで、多様なサービスを整備したことで、要支援状態からお看取りまで一貫して支援ができるようになりました。

「介護難民」という言葉があります。住み慣れた地域にて介護を受けることができなくなり、なじみのない遠方の地域に移住してサービスを受けなくてはならないような状態を指します。こういった介護難民を作らず、「住み慣れた地域で最後まで」を目標として法人運営を行っていきたいと考えています。

また、「TSUDOIBA元町家」に代表されるように、様々な年齢層の市民が集う場を作ることで、高齢者領域を超えた地域づくりに参画していきたいとも考えています。加えて、但馬の医療・社会福祉法人を、人材交流とICTで紡ぐネットワークの中核的な役割を果たしていきたいとも考えています。これらの活動を通じて、養父市の発展に繋がるよう仲間と共に積極的な活動をしていきます。