守本 宗年

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叔父の介護が導いた新しい道。人生の中で最も価値のある瞬間を得ることができた介護の仕事

私は、大学時代を大分で過ごし、その後、大分で就職をしました。マイクロフィルムの営業という現在の仕事とは全く異なる道を歩んでいました。しかし、20年前、地元へのUターンを決意しました。その結果、私は地元へと戻る決断をしました。地元へ戻ると、叔父の介護を母と一緒にすることになりました。それをきっかけに介護の大切さ、その奥深さを知ることとなりました。それから、当法人の立ち上げの話を耳にし、その機会を得て就職することになりました。私たち立ち上げ時のメンバーの半数は、介護という仕事に全くの未経験者でした。それでも、私たちは自分たちで業務の流れやマニュアルを作成する過程で、多くのことを学びました。自分たちで考え、取り組むという風土の礎となっているような気がします。また、特別養護老人ホームで働いていた頃のことを振り返ると、経口での食事摂取が難しくなったある高齢者が、私たちの支援と本人の強い意志で再びご自身の口から食事を取ることができた時の喜び、その瞬間の本人の笑顔は私の人生の中でも最も価値のある瞬間の一つとして、今も胸に残っています。

この仕事から得られる喜びは、人との深い繋がり、そして、その繋がりから生まれる信頼感

私が仕事で最も大切にしているのは「その人の思いを尊重すること」です。認知症が進んだ方

々の中には、自分の気持ちや考えをうまく言葉で表現するのが難しい方がいます。私は、そういう人たちの行動や仕草、表情からその思いを感じ取ろうと日々努力しています。時には、入居者さんに合わせるしんどさを感じる瞬間もありますが、その反面、人との関わり合いから得られるものの方が圧倒的に大きい仕事だと感じています。実際、グループホームでのお看取りを経験し、その後、その方の息子さんと再会した時の感動は、私の仕事の原動力となっています。かつて私が介護した方の家族との再会や、その家族からの温かい言葉は、私の仕事への情熱を更に燃え上がらせます。また、介護の仕事は、社会のイメージとは大きく異なる場面も多く、私たち介護職としての役割や意義をもっと伝えていく必要があると感じています。この仕事の中で私が得られる喜びの一つは、人との深い繋がり、そして、その繋がりから生まれる信頼感です。どんな仕事に就くのかではなく、仕事を通じて自分がどう変わるのかということの大切さを実感しています。

過去と未来の交差点で、若い感性や視点を持った新しい世代と介護の道を歩み続けていきたい

私たちの職場では私たち介護職をケアパートナーと呼んでいます。入居者さんが心地よい気持ちで過ごしてもらえるのは、入居者さんと私たちの共同作業の結果です。あくまでもパートナーとして何ができるかということを念頭に、自分たちの仕事をしています。歳を重ねるにつれて、こうした考え方も含めてこれまでの経験や知識を若い世代の職員と共有し、共に成長していきたいと考えています。技術や知識はもちろんのこと、私がこれまでの経験を通じて得たもの、感じたことをしっかりと伝え、そして彼らとともに新たな価値を見つけ出していきたいと思っています。入職当初のような若々しい感性を持ち続けながら、これからも私は介護の現場での挑戦を続けていきたいと考えています。介護職としての誇りを持ち、常に新しい挑戦を恐れず、共に成長していきたいです。新たな挑戦を続けながら、若い感性や視点を持った新しい世代とともに、この介護の道を歩み続けていきたいと今、心から願っています。

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