高品 妃代

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大学時代は自分の仕事と思わなかった介護の仕事。今は、やりたいことがたくさんある毎日

 前職は社会福祉協議会で事務職でした。介護や社会福祉に興味があったというよりは、簿記の資格を持っていたので経理として採用されました。その後、異動で介護保険請求事務を担当することになり、ヘルパーステーションや居宅介護支援事業所と同フロアで仕事をする中で介護の仕事に興味を持ち、訪問介護員の資格を取りました。実際に介護職を経験したいと思ったので転職を考えました。未経験でも歓迎してくれたのが、はちぶせの里でした。大学卒業時は流通業、その後、不動産業でキャリアを積みましたが、それまでの私が福祉に抱いていたイメージは、人の役に立ちたいというしっかりとした志のある人が就く仕事だと思っていました。当時の私には全くそのような思いはありませんでした。そんな私が様々な経緯の中で、はちぶせの里で働いていますが、気が付けばすでに11年目です。そして、まだまだ、はちぶせの里でやりたいことがたくさんあるというのが現状です。

特別ではない普通の日常に楽しいと感じられる瞬間を共有できることが、この仕事の醍醐味

流通・不動産・社会福祉(介護)と異なる業界で経験を積んで、共通して感じたことは専門職になり過ぎると当たり前のことが見えなくなるということです。専門職としてのモノの見方や判断はもちろん必要です。ただ、その視点だけに偏らないように心掛けています。家族の視点がないと利用者の人の思っていることの本質は見えて来ないと考えています。一人の人間として入居者さんを見る時に感じることとのバランスを取るように心がけています。そういう関わりの中で、入居者さんの笑顔がみられたときには喜びを感じます。入居者の方と日常生活を共有する中で、「してあげる・してもらう」という関係ではなく、対等な関係性の中で楽しい時間を過ごせたと感じられ、入居者さんだけではなく職員も笑顔になれたときは介護の仕事の良さを感じます。大きな出来事ではなく、挨拶をしたら「よう来たなぁ、待っとったんやで」と言われたり、一緒に家事をする、天気のいい日は散歩に行ったりテラスでお茶を飲んだりする、特別ではない普通の日常に楽しいと感じられる瞬間を共有できることが、この仕事の醍醐味だと感じます。

異なる意見にも尊重し、より良い方向性を模索するチームワークの成果を実感

ユニットリーダーとして、最近、感じるのは、より質の高いチームケアを実現するために連携の強化に取り組んできて、徐々にその成果が表れてきたと実感できていることです。日々のケアについて全員が考え、お互いに意見を出し合って解決に繋げていけるようになってきたと思います。個々の考えを言葉として伝えられる、異なる意見に対しても尊重し検討し、より良い方向性を模索する意識が身についてきていると感じています。だから、個々の入居者さんをよく見て、よりその人に合ったケアが提供できるようになっていると感じています。ただ、若いスタッフが自分で試行錯誤していくことも大切ですが、先輩から学べる環境を作り、次の世代に伝えることも大切にしていきたいです。今後は、施設と地域との交流を深めていきたいと思います。例えば、グループホームの職員ならではの認知症に関する知識を地域に発信して、困ったときに相談できる相手と思っていただけるような関係性を築いていきたいと思います。はちぶせの里があることが、この地域のプラスになっていると思ってもらえるようになっていくのが理想です。コロナで中断したイベントなどの再開を今年は是非ともやっていきたいです。

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